今回の撮影事例は、星空を背景に入れたコス撮です。

星空撮影のポイントは、ざっくりいうと下記の3点かなと思います。このあたりを少しメモとして書き記しておきます。
①後幕シンクロで被写体ブレを極限まで減らす。
②カラーシフトで背景を青めに。
③星はしっかり映す。

※2021/6/8 事例③と④を追記しました。

(※毎度のことながら、このコーナーではTwitterに掲載いただいたものをそっと引用して紹介するとともに、そっと撮影時の説明を付け加えています。ツイートが削除されたり、鍵垢となった場合は表示されずに解説だけ残る宿命です。あしからず…。)


撮影に使用した機材


Body
Nikon D5

当時所有していたカメラのなかで、最も高感度に強いカメラをチョイス。

Lens
AF-S NIKKOR 28mm f/ 1.4E ED

比較的広角で、24mmほどゆがまないレンズをチョイス。

ストロボ
Godox AD200Pro+Nikon SB-910

後幕シンクロに対応しているストロボをチョイス。

三脚
GITZO GT2532

足場の悪いところや風の影響を受けやすいところでも安心して使える三脚をチョイス。

基本的な設定

カメラの設定

ISO2000~3200 / F4~5.6
ss4~5秒 / WB3300K

F値に関しては、もっと2.0とか2.8くらいにしても良いかと思ったのですが、砂浜で足場も悪いこともあり、被写体が多少前後に顔が動いてもなんとかなるようF4.0~5.6くらいにしています。

ストロボの設定

カメラから見て左側にAD200Pro、右側にSB-910を配置。1/256もしくは1/128くらいの光量で後幕シンクロで撮影。

★後幕シンクロに関する備忘メモ!
GodoxのXpro-Nでは、液晶に「後幕シンクロ」の表示がでません。カメラ側で後幕シンクロに設定しておけば後幕シンクロとして発光します。

三脚

三脚はセンターポールをとりはずし、低い位置から撮影できるよう展開します。


事例①


撮影時のポイント


◆撮影のポイント①
この暗さではオートフォーカスは使い物になりませんので、GodoxのコマンダーからAD200Proのモデリングライトをつけて、被写体にピントを合わせてから、レンズをマニュアルにきりかえ、撮影を行っています。

◆撮影のポイント②
背景をより青めにできるよう、ストロボの発光面にはSB-910用のNikon純正のカラーフィルターに含まれていた「AMBER」カラーを発光部に取り付けて、カラーシフト撮影を行っています。

◆補足事項
ストロボには60×60のソフトボックスにグリッドをつける予定でしたが当日強風のため断念。代わりにGodoxのストロボ用アダプタ「S-R1」にハニカムグリッド「AK-R15」とリフレクター「AK-R14」を取り付けて、必要以上に光が外部に漏れ出さないよう注意して撮影を行っています。


事例②


撮影時のポイント

◆撮影のポイント①
後ろににぎやかしを入れるため、シャッターを開けている数秒間の間に、ライトをもって後ろを走り抜けています。ライトは、夜道や登山用などで使いそうなLEDヘッドライトで、光量強めのライトを使用しています。

(…砂浜を上をダッシュで走り抜ける苦行を最初のうちはひとりで頑張っていましたが、途中で気力と体力の限界となり、参加の方にてつだっていただいています。)


事例③


撮影時のポイント

◆撮影のポイント①
やっぱり座っている状態の撮影は、他と比べて圧倒的に被写体ブレが大幅に低減するので、よほどの事情がない限りは座ってもらうのもありかなと。後からの反省点としては、座った状態での撮影なら、もっとシャッター速度を10秒くらいに伸ばしても良かったかも…と。


事例④


https://twitter.com/sanaencos/status/1401846127381553153

撮影時のポイント

◆撮影のポイント①

後ろにの赤い光は、LEDヘッドライトの赤いランプです。
事例②では走り抜けましたが、被写体の指先から赤い光がでるよう配置を調整し、1秒ほど光らせてフレーム外へ逃げ出しました。
シャッター速度を4秒と短めにしてしまったことで、よーくみると、後ろに若干私の残像がでてしまったのが唯一の心残りです。
何か後ろでやるときは、5秒以上にしたほうがいいかも…。


備忘メモ・反省点


■反省点①
AD200Proのモデリングライト1灯ではピント合わせの明るさが足りず、時間を要してしまった…。

これがきっかけにモデリングライト対応のストロボを一気に導入し、暗い環境でもよりスピーディにピントが合わせられるようになりました。

■反省点②
ISO感度に関してはノイズも考慮し、ISO2000~3600くらいの範囲内くらいで撮影していましたが、立って片足をあげている状態の被写体は4秒の後幕でも被写体ブレが目立つものも…。このような状況ではもっとISO感度を6400くらいまであげて秒数を短くしてみても良かったかもしれません。