唐突ですが、写真撮影の原価ってどんなもんなんだろうか?と思い、ざっくり計算をしてみました。


1.カメラのシャッターも消耗品


カメラのシャッターをきる際に動作する「メカシャッター(メカニカルシャッター)」。物理的に動くので耐久回数(寿命)があると言われています。

どのくらい使ったら壊れるのか?の耐久回数は、カメラの機種(価格帯)によってそれぞれ異なっており、エントリー機なら5~10万回程度、中級機なら15~30万回程度、ハイエンドなら40~50万回程度が目安と言われています

※くどいくらいに「目安です」を入れている通り、耐久回数到達よりはるか前に壊れる不運なケースもあれば、耐久回数を超えても使い続けられることもあります。カメラメーカーもパンフレット上で「20万回におよぶテストをクリアーしています。」といった言い回しに留めています。あくまでも「目安」として捉えておきましょう。


2.撮影枚数あたりの単価は?


1回の撮影では、少なくとも200~300枚、通常なら4~500枚、多い時は1,000枚以上撮ることもあります。連写を多用する撮影ではさらに増えていきます。

先ほどの表をベースに計算すると、、、
シャッター毎に、1~3円くらいのコストがかかっている計算になります。
500枚程度の撮影で約1,000円近くかかっていることになります。

あくまでもカメラボディだけの計算なので、これにストロボの発光回数や、レンズの費用も加算すると…1回あたり、実はそれなりにお金がかかっていたことになります。

ちなみにストロボの寿命は(使い方によって大きく変動しますが)30万回くらいが目安と言われていますので、5万円くらいのストロボなら500枚の撮影で1灯あたり約85円くらいのコストが発生していることになります。3灯くらい使うので大体250円くらいといったところでしょう。

コスプレ撮影でスタジオにいくと、だいたい500枚くらいの撮影となるので、少なくとも1,250円くらいのコストが発生している計算になります。


3.そのほかの費用


レンズ交換の際にセンサーに水滴を付着させてしまったりとか、センサーにブロワーでは除去しきれないゴミが付着してしまったりで清掃にだすことになったり、ぶつけて修理が必要になったり…と、地味にお金がかかることがあります。

例えばNikon Z8/9のハイエンドモデルの場合、定期メンテナンス代は1台あたり15,000円程度とられます。修理となったら中をあけるだけで技術料として30,000円程度が飛んでいきますし、交換パーツ代とあわせて50,000~100,000円程度と、安いカメラが1台買えてしまうくらいの費用がかかることもあります。

(このあたりは保険にはいっていれば10万円程度までは保証してもらえるので、助かるケースがあるかもしれません。)


4.余談(仕事にすると維持費は?)


カメラを仕事で使うなら、どんな現場でも間違いなく力を発揮でき、信頼性の高いものを!と考えると、必然的に各社のフラッグシップ級モデルやハイエンドクラスを抑えておきたい所です。

なお、2024年1月末時点の大手三社でヨドバシカメラさんの価格を参考にすると…
・Sony α1 ¥935,000
・Sony α9 III ¥880,000
・Nikon Z9 ¥772,200
・Nikon D6 ¥917,400
・Canon EOS R3 ¥858,000
・Canon 1D-X mark3 ¥957,000

ざっくりとですが、1台あたり80万円程度。そして当然1台では万一の際の対応ができないので最低2台は必要と計算することになります。

そして、どんなに高額なカメラボディであっても新機種がでてきたら最新機種へリプレイスしていく必要性も…。なので、長く見積もって「2~3年間」がいいところ。

ひとつ救いがあるとすると、フラッグシップ機種相当のカメラは買取価格も高く、購入時の半値くらいは期待がもてます。
そうなるとつまり、2台で160万が実質半額で2年80万、1年あたり40万、1月あたりなら約3.3万円の維持費と考えられます。

レンズに関しては、比較的長期間使用することができるので、ざっくり1本あたり4,000円/月くらいの維持費と考えておきます。レンズは5本程度用意するとして、ざっくり維持費2万程度と想定すると、最低でも月間で5~6万の機材維持費用がかかる計算となります。

他にも予備バッテリーやレンズフィルターなど出ていく費用もいっぱいありますが、ここまで計算すると大変になるので割愛しますが、、、カメラで食っていくなら、このくらいの撮影費をペイできるくらいになれないと駄目そうです。