最終更新日:2024/07/09
今回は「ねじ込み式タイプ」の丸型レンズフィルターをマグネット化してみよう!という話。
「ねじ込み式タイプ」のレンズフィルターは脱着時にどうしても手間がかかる。
手間と言っても、ほんのわずかな時間だが、撮影中に何度も付け外しを繰り返すと、もう一組カメラを用意したくなるレベルで面倒くさい。
とはいえ、イチからマグネットフィルターに買い替えるのも、これまで買いそろえてきたフィルターがもったいない…。そんななか見つけたのがこのマグネット化アイテム!
「どこのメーカーがいいの?」「他メーカーと組み合わせて使えるの?」いろんな疑問があったが、残念ながらめぼしい回答がなく、しかたなく自分で調べてみること。
※今回の内容は、私が選んで購入するまでの話が1~4、購入後の話が5~8という構成になっています。
※角型フィルターについては私の撮影スタイル的にあわないため、ここでは取り上げておりません。
~購入前の検討~
1.マグネット化のメリット
2.デメリットや心配な点
3.各社から発売されているマグネット化製品
4.各社の取扱状況
~購入後~
5.私が本当にやりたかったことは実現できたのか?
6.使ってみて発見!気をつけるべき点
7.【独自】追加検証!他社製品も買ってみた!(Kenko , K&F , marumi , Freewell , Urth)
8.他社互換性まとめ
1.マグネット化のメリット
- 保護フィルターの上に重ね付けしたNDフィルターを取り外そうとしたら一緒に外れてしまった。
- ねじ込み式、しっかり回してつけたつもりが、甘かったようで途中で落下しそうになった。
- 重ね付けしたフィルター同士のネジがガッシリと嚙み合って、外すのにすごい苦労した。
- フィルターあり、なしで分けて何度も撮る時、超大変だった。
- フードの中に手を突っ込んでガサゴソ…回してつけるだけなのになかなか付かない。
- 重ね付けしたやつを外したら、下につけてた保護フィルターが緩んでしまってたことに気付かず途中で保護フィルターが抜けて転がり落ちていった…。
ちなみにこれ、すべて私の実体験。
- 脱着がスムーズになり、撮影時に被写体さまを待たせないし、こちらも変に焦らず済む。
- ヒヤリハットを減らす。
- 脱着が楽になるのであまり使わなかったフィルターの利用頻度もあがる?
これらが私が思う、マグネット化のメリット。
2.デメリットや、心配な点
四隅にケラレが生じる可能性。。。
重ね付けしたとき、どうなってしまうのか…
回転機構のあるCPLやTwinkleStarなどはどうなるの?
フィルター購入時についてくる付属のケースには入らなくなりそう…入らなかったらどう持ち歩けばいい?
使用する分のマグネットリングを買わないといけないので、結構なお値段になってしまうのでは?
…などなど、言い出したらきりが無い。とにかく、どんなものが市場にでまわっているのかを調べてみた。
3.各社から発売されているマグネット化製品
2024年5月中旬時点で取り扱っているメーカーを調べてみると、日本国内で買いやすいメーカーから入手が難しそうなメーカーまで、ざっと12種類くらいあった。
※一部の画像には販売店のリンクを付けているので、気になる品があった方は販売店サイトでご確認を!
中国メーカーの製品。これを調べるまで存在を知らなかったメーカーのひとつ。レンズ内側にとりつけるインレイドリングを取り扱ってるのはこのメーカーだけ。非常に興味深い。
販売店サイト:https://www.yodobashi.com/maker/5000029491/(ヨドバシ)
【A】MAGNETIC ADAPTER RING(アダプターリング)
レンズ側に取り付け
【B】MAGNETIC SCREWED adapter ring(スクリューアダプターリング)
お手持ちのフィルターに取り付け
【C】MAGNETIC INLAID RING(インレイドリング)
用途は【A】と同じだが、こちらはレンズ側(内側のネジ内)に取り付けるタイプ。
※【A】【B】【C】については、よしみカメラさんがすごく丁寧にまとめてくれています。せっかくなので、以下に続くメーカーも上記の表記にあわせて記載してみました。
Freewellという香港のメーカー製品。公式ページをみても【B】にあたる製品は発見できず、アダプターリング以外は、マグネット化されたフィルターしか存在しない模様。Amazonの販売ページにも「FREEWELL MAGNETIC QUICK SWAP FILTERシステムでのみ動作し、ねじ山フィルターを磁気化することはできません。」と記載があった。
公式サイト:https://www.freewellgear.com/ja/136-magnetic-quick-swap-system
【A*】空の磁気ベースリング
レンズ側に取り付け
中国メーカー「K&F Concept」のマグネット製品。Amazonでよく見かけるメーカーだ。こちらも【B】にあたる製品は発見できず、アダプターリング以外はマグネット化されたフィルターしか存在しない模様。なお、Amazonでは82mmの取扱がなかったが、メーカー公式サイトから購入可能だった。
公式サイト:https://www.kentfaith.co.jp/KF05.291_82mm
【A*】NANO-X MAGNETIC ADAPTER RING(磁気アダプターリング/空の磁気ベースリング)
レンズ側に取り付け
毎度おなじみの「Kenko」さん。しかし、こちらはAmazonで逆輸入版として販売されている日本国内のケンコー・トキナー取扱ではないほうの品。(この記事をまとめていた当初は日本国内のケンコー・トキナーからは販売されておらず、海外の逆輸入版しかなかった。)
公式サイト:https://kenkoglobal.com/product/pro1d_instant_action_adapter_ring/
【A*】PRO1D+ INSTANT ACTION ADAPTER
レンズ側に取り付け
【B*】PRO1D+ INSTANT ACTION CONVERSION RING
お手持ちのフィルターに取り付け
日本国内のケンコー・トキナーから2024年5月17日発売となったマグネット化製品。海外版Kenkoの「PRO1D+ INSTANT ACTION」と同じかと思いきや、異なる商品名での発売となった。従来の海外版との互換性は不明。
公式サイト:https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/mms/
【A*】ベースリング
レンズ側に取り付け
【B*】コンバージョンリング
お手持ちのフィルターに取り付け
Kenkoの海外版と同じ名前のINSTANT ACTION。HOYAの公式サイトを見ると、「ケンコー・トキナー株式会社はHOYA社の承認を得て、HOYAブランドのフィルターを全世界へお届けしています。」とあるので同じ商品と思われるが、これ以上の情報がなく正直なんとも…。
公式サイト:https://hoyafilterusa.com/collections/instant-action
【A*】INSTANT ACTION ADAPTER
レンズ側に取り付け
【B*】INSTANT ACTION CONVERSION RING
お手持ちのフィルターに取り付け
香港メーカー「H&Y」のマグネット製品。近年よくみかけるメーカーのひとつ。マルミのマグネティックスリム製品もH&Yで製造・供給と書かれている。
公式サイト:https://hy-filter-japan.com/?category_id=620459fa423f6a374c958429
【A*】Magnetic Adapter Ring
レンズ側に取り付け
【B*】Screw in to Magnetic Adapter Ring(マグネット式変換アダプター)
お手持ちのフィルターに取り付け
マルミから発売されているマグネット化の製品。【B】にあたるものはAmazonでは見つけられなかったが、おぎさくで24/4/19発売と書かれていた。どうやら最近発売されたばかりのよう。H&Yの公式サイト上に『製造・供給は「H&Y」』とあり、H&Yのマグネット丸形システムと互換性は◎。
公式サイト:https://www.marumi-filter.co.jp/product/circularmagnetslim/
【A*】MAGNETIC SLIM LENS ADAPTER(マグネットスリム レンズアダプター)
レンズ側に取り付け
【B*】MAGNETIC SLIM FILTER ADAPTER(マグネットスリムフィルターアダプター)
フィルター側に取り付け
中国メーカー「Haida」の製品。【B】にあたる商品の取扱はみあたらず、利用には同社製のマグネットフィルターの用意が必要。このリング自体は82mmサイズで20ドル前後で売られているようだが、日本Amazonでは7,000円弱と割高。B&Hや米Amazon.comあたりから買えそう。
公式サイト:https://haidafiltersusa.com/shop/ols/products/haida-magnetic-adapter-ring
【A*】Magnetic Adapter Ring
レンズ側に取り付け
オーストラリアと思われるメーカー「Urth」の製品。こちらも【B】にあたる商品みあたらず、利用には同社製のマグネットフィルターの用意が必要。82mmサイズ25ドルが日本のAmazonで2,400円。1ドル150円前後であることを考えるとなかなか良心的な価格設定だ。
公式サイト:https://urth.co/collections/lens-filters/products/adapter-ring-for-magnetic-lens-filters
【A*】Adapter Ring for Magnetic Lens Filters
レンズ側に取り付け
中国のメーカー「Nisi」から発売されている品。【B】にあたるものの取扱はなく、取り付けには同社製のSWIFTに対応したフィルターの用意が必要。ちなみにSWIFTはマグネットではなく押し込んで装着させるちょっと違うタイプの製品。用法としては同様なので1つの比較としてご紹介。厳密には似て非なるものかもしれない。
公式サイト:https://nisifilters.jp/product/swift-adapter-ring/
【A*】SWIFT アダプターリング
レンズ側に取り付け
2017年ごろマンフロットから発売されたマグネット化製品の先駆け的なアイテム。気になっていたものの当時は結局買わずじまいに…。現在は在庫限りの終息商品となっている模様。2024年現在各社から発売されているタイプより多少厚みがあるように見える。
紹介サイト:https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/item/1091334.html
【A*】XUME マグネットベース
レンズ側に取り付け
【B*】XUME マグネットフィルターフレーム
お手持ちのフィルターに取り付け
※他にもNeewer、benro、7artisansなどからも販売されているが、こちらは単体ではなくフィルター含むセット売りしか見つけられなかったため、ここでは取り上げていません。
4.各社の取扱状況
ここまでの各社の取扱状況をまとめてみた。
こうしてみると、手持ちのフィルターをマグネット化させる【B】を取り扱っているメーカーは思いのほか少なく、Kase、Kenko、H&Y/marumiの実質3択になりそう。
互換性について公式発表されているのは、H&Yのサイトに記載されている『marumiにはH&Yが製造したものを提供』と、K&F conceptのQAにある『Kase、Freewellと互換性がある』というもの。
*1 K&F Concept=Kase=Freewell…(NEEWERも!?)
【1】K&F公式サイトのQA内に互換性に関して記載アリ。
Q:これはKaseおよびFreewell磁気フィルターと互換性がありますか?
A:こんにちは、K&F Concept磁気フィルターセットはKaseと互換性がありますが、Freewellシステムでも試すことができます。
引用元 <https://www.kentfaith.co.jp/faq_9608>
↑
注:実際はK&Fconceptのアダプターに他社マグネット製品を付けられる、という意味のようです。Kase/Freewellのアダプターリングには取付不可でしたのでご注意を。(2024/06/01追記)
【2】Neewer公式販売サイトの注意書きにも互換性に関する記載アリ。
“アダプターリングは82mm磁気フィルターのみ使えます。NEEWER Kase K&Fと対応します。”
引用元<https://neewer.jp/products/neewer-magnetic-step-up-filter-ring-adapter-kit-66601692>
*2 H&Y=マルミ!?
【1】H&Y公式販売ページ内にmarumiとの互換性について記載アリ。
*H&Yが製造・供給しマルミ社から販売のマグネットスリムフィルター(Marumi Magnetic Slim Filter)と互換性ございます”
引用元 <https://hy-filter-japan.com/items/6558cd365b90ec0034661ccd>
※8の追加調査「他社製品も買ってみた」で詳しく解説しているが、Kaseのアダプターリング【A】にKenko(海外)【B】やmarumi【B】は互換性がなく取付不可のため要注意。更に、K&F conceptのマグネットフィルターND1000にも、Kase【A】、Freewell【A】はサイズ不適合で取付不可。
ーここからは購入後の話ですー
5.私がやりたかったこと…
私は普段、NikonのARCRESTフィルターを付けている。
NDフィルターをつけるときは、通常の保護フィルターをはずして…とやると、戻し忘れたり、外で付け替えの時誤って前玉に接触事故…なんてことをおこしかねない。
なので、この保護フィルターの上からマグネット化したものを重ね付けしたい!というもの。
普段使う50mmや85mm、135mmという焦点距離では重ね付けしてもケラレの心配はそうそうないが、24-70mmなどで広角域で使用する際にケラレを極限まで抑えたい。
そう考えると【C】が唯一存在するKase以外の選択肢はなく、ひとまず『Kase』製品を導入することにした。
ここで一つ問題が発生した。保護フィルターとしてつかっているARCRESTシリーズは薄枠フレームであるため【C】を取り付けてしまうと純正レンズキャップをひっかける溝が残っていない状態となってしまった。しかたなく同社製のマグネットレンズキャップも購入。余計な出費が増えてしまった…。
※当方ではARCRESTの上から【C】をつけたが、レンズ直に【C】を取り付けた状態なら、問題なく純正レンズキャップの取り付けが可能だった。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8SにARCREST|Kase【C】|Kase【B】|NDフィルターを付けた状態
フィルター3枚を重ね付けしたような厚みとなり、24mmでは四隅にケラレが発生。28mmくらいまでいくとまぁ許容できるかな?という感じで非常に惜しい結果に…。
kase【C】は非常に画期的な商品だと思っていたのだが、Kase【A+B】とKase【C+B】をつけ比べてみると、【A】自体の薄さも非常に優秀で、両者の差はさほどない状態だった。左が【A+B】、右が【C+B】の構成。
正直これくらいの差ならわざわざ【C】を使わず【A+B】セットのみでも良かったかもしれない。
各社の82mmサイズの販売価格は24年5月の調査時点でこんな感じ。Kase製品は販売店によって「A+B」「A+B+C」「B+C」のセット割引販売もあるので単品購入よりかなりおトクに購入可能です。
※販売店によっては送料が別途必要かもしれない点はご注意ください。
今回のマグネット化対応では、82mm径の【A】レンズの本数分で4つと、試しに【C】を1つ。フィルター交換用に【B】を6つ、レンズキャップを1つ購入。合計24,300円の出費でした。(ヨドバシポイント13%で実質21,141円。ありがとうヨドバシ!)
Nikon ARCREST NDフィルター(82mm) + Kase【B】
△:kenkoの四角いタイプのレンズフィルター入れ(ブラックミストとか入ってたやつ)
そのままだと若干蓋が浮く感じでしたが、中のクッションを抜けば余裕で入る。
×:Nikon ARCRESTフィルター購入時に入っていたケース(Nikon-CP18)
中のクッションを抜いても蓋が閉まらず無理。
〇:marumiのフィルターが入ってたプラスチックケース
多少中央部が浮くもののカチッと閉めることができた。
Kenkoのブラックミストフィルター(82mm)+ Kase【B】
△:kenkoの四角いタイプのレンズフィルター入れ(ブラックミストとか入ってたやつ)
薄枠フィルターの時と同様、中のクッションを抜けば余裕で入る。
×:Nikon ARCRESTフィルター購入時に入っていたケース(Nikon-CP18)
無理。
×:marumiのフィルターが入ってたプラスチックケース
薄枠フィルター時は閉じることができたが、通常の厚みのフィルターは無理だった。
使用機材コーナーでも紹介してるこのタイプのフィルター入れは、【B】をつけた状態でも収納可能でした。
K&F Concept フィルターケース 4枚用 フィルター径95mmまで対応
【10枚フィルター収納】JJC フィルターケース
C-PLは、枠ごと一緒に回ってしまう状態に。
CPLの場合は回転機構は不要で枠ごと回せばOKなのだが…
これまではねじ込み式でしっかりついていた分、上の回転機構部分を動かすにはちょっと強めにつかまないと動かなかった。同じ調子でやろうとすると、マグネットが外れて吹っ飛んでいきそうになる。
可変NDなど回転させるだけではダメなタイプのものは、アダプターリングに回転防止機構がついているものを選ぶ必要がありそう。
6.使ってみて発見!良かった点と気をつけるべき点
◎:良かった点
取り付け・交換が超ラク!取り付けも、いままでのようにフードの中に手を突っ込んで手探りでクルクル…なんてすることもなく、上向けてレンズフード内に適当において左右に軽くふるだけでカチっとはまります。これだけで、買ってよかった!となります。
△:気をつけるべき点
出先で他のフィルターに【B】を付け替えるケースがある場合などは、なかなか外れずに苦労することになるので、強く締めすぎないよう注意が必要。
※外すときは、レンズに装着した状態か、均等くらいで4箇所指で固定しながら回すと比較的取り外ししやすい。
【A】アダプターリングにもねじ込み式フィルターが取付可能な状態となっている。そしてアダプターリング自体にも磁力があり、うっかり【A】+【A】でつけてしまうことがあった。
磁力がとても弱く、ちょっと負荷がかかるとすぐに落下するので、フィルターを付ける際は【A】につけてしまわないよう注意が必要。
左右にカメラをぶら下げるハーネスをつけての移動中、重ね付けしていたマグネットフィルターは高確率で地面に転がっていった…。
ゆっくり歩いているときは問題ないが、ふと足を早めたり、止まったり、階段の上り下り等で太ももあたりにカメラが接触した際に、負荷に耐えられず落下してしまうようだ。
移動するときは重ね付けしたフィルターを外すことを忘れないよう注意が必要。
※ちなみに落下したフィルターだが、特に割れたりとかガラス面への傷は確認できなかった。なかなかの頑丈さだ。
7.追加検証!他社製品も買ってみた!
Kaseのマグネット化製品とKenko PRO1D+ Instant Actionの互換性はどうなっているのか?どうしても気になってしまったので、実際に購入して確かめてみた。結果は…
※タイミング悪く日本のケンコー・トキナーから別名称で発売されてしまったので、ここではKenko(海外)と表記します。
Kase【A】+Kenko(海外)【B】= ×(NG)
…構造上うまくハマらず、片側が2mmほど浮いてしまいアウト!
Kase【C】+Kenko(海外)【B】=◯or△(微妙な判定)
…上から押すと多少のグラつきがある気がしなくもないが、1枚でつけているときには使用中に落下するほどではないので、使えそうではある。強い衝撃には要注意といったところ。
Kenko(海外)【A】+Kase【B】=◎OK!
…この組み合わせは問題なく使用可能だった。ただ、実用上は全く問題ないのだが、若干寸法が違うため装着状態で左右に手で押して動かすと気持ちスライドする(遊びがある)状態。※同一メーカーの組み合わせでも多少の遊びがあるが、それがほんの僅かに大きい程度。
厚みについては
①Kenko(海外)【A+B+フィルター】
②Kase【A+B+フィルター】
で比較した所、約1mmほど②Kaseのほうが短かかった。
【A】同士の比較では、一見同じ用に見えるが、ほんのごく僅かにKaseのほうが薄いかも!?。【B】はKaseがかなり薄く、フィルターもネジが最後まで回らないレベルだったが、Kenko(海外)は最後までしっかりくっつく厚み。
ちなみに…日本国内のケンコー・トキナーから24/5/17に発売された商品をヨドバシAkibaの売り場で発見したので、まじまじと外見をチェックしてみたが、アダプターリング・コンバージョンリング共に商品自体もパッケージも同一で、単に印字されてる文字が変わっただけのように見えた。
こちらは【A】のアダプターを購入。
K&F【A】+Kase【B】=◎OK!
この組み合わせは問題なく装着可能。ちなみにKenko(海外)【B】も問題なく装着可能だった。K&F【A】の厚みはKase【A】とまったく同じように見える。
こちらは【A】のアダプターを購入。【B】は店頭の展示品で確認することができた。
Kase【A】+marumi【B】= ×(NG)
こちらは残念ながら浮いてしまい使える状況ではなかった。同社製品のマグネットNDフィルターも試してみたがダメだった。なお、Kenko(海外)【A】、K&F【A】とmarumi【B】の組み合わせは装着可能だった。
marumi【A】+Kase【B】=◎OK!
こちらは問題なく装着可能だった。なお、Kenko(海外)【B】も問題なく装着可能だった。
こちらは【A】のアダプターリングと【B】のコンバージョンリングを購入。
●アダプターリング
H&Y【A】+Kase【B】=◎OK!
こちらは問題なく装着可能だった。
●コンバージョンリング
Kase【A】+H&Y【B】= ×(NG)
こちらは残念ながら浮いてしまい使える状況ではなかった。
Kase【C】+H&Y【B】=◯or△(微妙な判定)
Kenko(海外)【B】と同様。多少の頼りなさが感じられなくもないが、落下するほどではない印象。強い衝撃には注意が必要。
こちらも【A】のアダプターを購入。
Freewell【A】+Kase【B】=◎OK!
この組み合わせはOKだった。なんならKase【A】よりも磁石が強く、好印象。
Freewell【A】+Kenko(海外)【B】= ×(NG)
特筆すべき点は、Kenko(海外)【B】は浮いてしまって使用不可だった。
URTH【A】+Kase【B】=◎OK!
この組み合わせはOK。Kenko(海外)【B】も問題なく装着できた。
8.他社互換性のまとめ
なお、側面は目視だとメーカーによってギザギザのいれかたが違うくらいで、厚みに違いがあるように見えなかった。
とにかく測定してみよう!
こうなったら、いろいろ測定してみよう!とういうことで、Amazonで購入したデジタルノギスをつかい、以下のポイントで測定してみた。(※単位はいずれもmm)
当初は①~④の淵の太さが影響し、一部コンバージョンリングがハマらない…と思っていたのだが、、、⑤の受け部直径は、
・約81.5mm
Kase、Freewell製
・約82.5mm
H&Y、marumi、Kenko、K&Fconcept、Urth製
この受部内径が直径で約1mm違うことが原因で入らないということが判明した。
淵の太さは関係なかった…
淵の太さは関係ない、といったそばから恐縮だが、計測中にKaseのアダプターリングが3種類ある!ということに気付いた。
なぜ同じKase製にもかかわらずこんな違いがあるのかは謎だが、いずれも内側は約81.5mmと残念サイズだった。
⑦の内径については、Kaseが約81.2mmと小さく他は約82.0mmだった。
KaseやFreewellのアダプターリングは受部が約81.5mmのため、82mmサイズで作られているメーカー製のコンバージョンリングが入らない状態となる。
⑧⑨の厚みについては、フィルター自体のネジ部分の深さ?でも変わってくるため、フィルター(4.4mm厚のKenkoブラックミストフィルター)を付けた状態となしの状態で測定した。
Kaseは⑨は1.9mmと圧倒的な薄さだが、フィルターをつけると、フィルター自体はしっかりと付くものの、最後まではまらない(これ以上ハマらない)状態となり約1mmほどスキマができた。このため⑧は4.4mm厚のフィルターを付けても6.3mmとならず7.2mmとなっている。
Kenko(海外)とH&Yはコンバージョンにリング自体が見るからに厚みがあり、ねじ込み部分を考慮したものかと思っていたが、フィルターを付けた状態でもKaseの圧勝だった。
コンバージョンリングを買うなら、Kase【B】一択といっていいレベルだろう。
今回購入したKase製品をあらためて確認しところ、以下の通りかなりバラバラであることが判明した。
Kase【A】
・DH23
・EC23(2点)
・EC01
Kase【B】
・DK23(5点)
・DG23(1点)
当初はセット買いと単品買いで違うのか?と思ったが、いずれもヨドバシで【A+B】のセットを4点と【B】の単体を2点購入しているので説明がつかない。購入したパッケージも確認してみたが商品コード、バーコードいずれも同一で外側に違いは見当たらなかった。
Aについては厚みに関わる重要な部分だが、同一商品内で0.13mmも差が出ている。Bに至ってはDK23はツヤあり、DG23はツヤ消しで、ぱっと見ちがう商品かと思うレベル。この違いはいったいどういうことなのだろうか…。
ここまで規則性がなくバラバラなサイズが混じっていると、このメーカーの品質は大丈夫なのだろうか?と疑いたくなるレベルだ。ただ、今回はKase製品の同一製品を複数個購入したが、他社製品は同一製品を購入していないので、もしかしたらこういった違いがあるのが普通…という可能性がないわけではない。(無いとは思うが…)
今回の記事の趣旨とは異なるが、マグネットフィルター単体の製品も購入してみた。
⑩のサイズがアダプターリング受部の内径より小さくないと当然ながら使用できない。
K&Fconcept公式サイトQAにあった”K&F Concept磁気フィルターセットはKaseと互換性がありますが、Freewellシステムでも試すことができます。”については、実際はKase【A】・Freewell【A】にはサイズが適合しないので使用不可。きっとK&F conceptの磁気アダプター【A】にKaseのコンバージョンリング【B】やマグネット製品をつけられるという意味だったのだろう。
K&FのND1000を購入後、marumiの「MAGNETIC SLIM ND2」とH&Yの「MAGNETIC MRC SLIM ND8」も購入してみたのだが、、、マグネティックスリムという名の通り、偽り無くスリムだった。K&Fconceptの製品より約40%ほど薄い。ケラレを考慮するならこれが最適解かもしれない。
※marumiとH&Yは同一の寸法になるかと思いきや、ND2とND8では若干のさがあった。大きな差ではないので製造時期やロットによる違いかもしれないが…
今回購入したK&FconceptのマグネットフィルターND1000は、フィルターのほかにマグネットキャップとアダプターリングがセットで付いてきた。既に先日、同社のアダプターリングを単品で買ってしまっていたため、あの時買わなければ…とおもったが、よくよく見ると、なにやらアダプターリングに不思議な溝が!!!
初期不良品として返品しようと思ったが、念のためAmazon経由でK&Fconcept直営店さんへ問い合わせてみたところ、「回転時にNDフィルターが回転しないように特別に設計されています」と回答があった。
なぜ可変NDでもないのに回転防止機構付がついたリングがセットになっているかは謎だが、全部そうなってるのか確認してみたところ「当店のマグネット式フィルターセットのアダプターリングは全て回転防止の溝が付いております。」とのこと。
一部ページには不具合ではない旨の注釈が追加されたが、間違って返品してしまわないようご注意を!
※更に話がそれるが、このセットについてきたK&Fconceptのマグネットキャップはかなり磁力が弱めだった。多少強めに遠心力を加えて振り下ろすと、K&Fのキャップは自重で落下してしまった。Kaseは落下しなかった。ご参考まで。。。
改めてここまでの状況を整理すと以下の通り。
『同一メーカー同士が一番強い』
…とばかり思っていたが、Kaseの場合はそうでもなかった。個人的に組み合わせで強く感じられたランキングがこちら。
Kase【B】との組み合わせ
1位:Freewell【A】(かなりの強さ)
2位:K&F【A】(強い)
2位:marumi【A】(強い)
2位:URTH【A】(強い)
5位:Kase【A】(ちょい弱)
6位:kenko(海外)【A】(ちょい弱)
Kenko(海外)【B】との組み合わせ
1位:marumi【A】(かなりの強さ)
1位:URTH【A】(かなりの強さ)
3位:kenko(海外)【A】(強い)
3位:K&F【A】(強い)
Kaseの組み合わせで弱いと感じている方は、K&F concept、marumi、URTHあたりでトライしてみるのが良さそう。Freewellはかなり良かったのだが厚みと他社互換性を考えると、他メーカーにしておいたほうが無難かもしれない。
基本的に手持ちのねじ込み式フィルターの手持ちがある前提で話をすすめてきたが、元からマグネット化されたレンズフィルターもある、、、というか、基本的にはこちらのほうが王道なのだろうと思う。
24/05/19時点ではH&Y・marumi陣営がかなり種類豊富なので、イチから買い揃えるならここが一番いいかもしれない。
総括!
ここまでの結果をふまえた、ベストな選択肢はこれだ!
アダプターリング
ケラレを考慮する必要がある広角域ならKase【C】のインレイドリング一択。そうでないならマグネットがしっかりとつき、汎用性も高いH&Y、marumi、K&Fconceptが良い選択肢。
Kase【A】やFreewell【A】を選ぶと、他社マグネット製品はだいたい使えないので注意が必要!
コンバージョンリング
H&Y、marumi、Kenkoは厚みがあるのでおすすめできない。Kase【B】一択といっていいレベル。
マグネットフィルター
多くのメーカーを実測できていないものの、H&Y、marumiのマグネティックスリムは間違いない選択肢の1つだろう。
本記事は私個人が片手間につくった備忘的なまとめ記事です。
ショップの店員さんもメーカーから来てたスタッフさんも同じメーカー同士で使うことを推奨しています。
メーカーをまたいでの利用は全て自己責任でお願いします。なにかあっても私は責任とれません。あくまでも、ご参考まで。。