最終更新日:2025/9/2

レンズ保護フィルター(レンズ保護プロテクター)なんてなんでもいいや!と、何も考えずに買ってしまっていませんか?もしかしたら、カメラ・レンズ本来の性能を大幅に損なった状態で撮影しているかもしれません。

撮影条件によっては着けているだけで害悪になりうるレンズ保護フィルター。
いますぐ見直しを!


どうして安ものはダメなの?


太陽光や照明の光、強い反射光などの光がフレーム内に入った際に「フレア」や「ゴースト」と呼ばれる現象が発生しやすく、つけているフィルター・プロテクターの種類によってはそれらが緑色や褐色など、変な色に変わってしまうケースがある。

特に夜景撮影や照明効果の強いイベントステージ撮影、逆光下での撮影では悪影響を受けやすい。

レンズプロテクターはレンズ購入後にすぐに取り付けてしまうケースが多く、仮に悪影響がでていたとしても「最初からこういうものだ」と気づけないケースも多い。

光源の位置や角度・環境条件によってはオートフォーカスなどへの悪影響も懸念される。

そもそも夜景撮影など光源による影響がシビアな環境ではレンズプロテクターを外して撮影するのが常識といわれている。ただ、実際はいちいちそんなことをしている時間が無かったり、うっかり忘れてそのまま撮影してしまうケースも多く、あとからデータを見た時なんじゃこりゃー!と…。


反射率0.1%


そんな状況を一変させたのが、2017年にニコンから発売された高級プロテクター「ARCREST(アルクレスト)」

当初はこんな高いフィルター誰が買うんだよ!と思っていたが、実際に使ってみると、悪影響は「皆無」ではないものの「ほとんど影響がでない」「無視可能なレベル」で撮影ができ、これまでの常識を覆すレベルの高性能な保護フィルターだった。

比較については、当時のメディア記事にたくさん載っているので参考にしてほしい。

デジカメWatch

これを実現させているであろうポイントが「反射率0.1%」
反射率は低ければ低いほど良く、フィルター起因のフレアやゴーストが発生しにくくなり、レンズ本来の画質・性能で撮影できるようになる。

2017年のARCREST販売開始当時、反射率0.1%をうたうフィルター製品は他になく、同等製品は2021年ケンコー・トキナーの「ZXII」、2022年マルミの「PRIME」、H&Yの「Ultimate HD」まで登場しない。


反射率の比較


現在発売されている主なレンズフィルター・プロテクターをまとめてみた表がこちら。反射率0.1%の製品は背景色を黄色にしている。(2025/9/2リスト更新)

※表の内容について
●グレー背景:終売品と思われるもの。
●ー:メーカーカタログやサイト上に記載がないもの。
●撥水/撥油:撥水と書かれているものは「撥油」とは書かれていなかったもの。
●発売時期の(推定):価格コムの登録日やAmazonの価格推移履歴などを参照したもの。

★1 マルミのサイト上「撥油」とは書かれていませんが「防汚コーティング効果の確認:油性マジック使用」とカタログ上に記載があるので実質撥油とし、◎としている。

プロテクターもメーカー純正?

メーカー純正品があるなら純正…と言いたくなるところだが、キヤノンもソニーも反射率や仕様についての記載はみつけられなかった。

富士フィルムは面反射率0.3%以下、シグマは0.24%。オリンパスは径によってコーティングが違うらしいがいずれも詳細はみあたらず。

性能は二の次。どうしてもメーカーロゴがほしい!という方以外は手を出さないほうが良い気がする。キャノンのオンラインストアではケンコー・トキナー製品のフィルターも売られていたので、純正としてはあまり力をいれる気がないのかもしれない。

かなり古いものも現行品として売られているので要注意

価格コムの登録が2008年からあり、2025年現在も現行品として販売されている商品も多い。ロングセラーといえば聞えはいいが、、、。
量販店の売り場でもKenkoのPRO1D PROTECTOR(W)が未だに面展開されていたりする。
お手頃価格なので勧めやすいのはわかるが、正直どうなんだろうと思う。

ちなみにメーカー純正のプロテクターもかなり古いものが多い…。

反射率0.1%で帯電防止

2025年9月現在、反射率0.1%×帯電防止のアイテムはNikonのARCREST IIと、H&YのUltimate HDの2種類だけの模様。
帯電防止にどこまで効果があるのか明確に比較したことがないが、ARCREST無印よりII型のほうがホコリっぽい場所でゴミが付きにくくなったように感じている。あくまでもそんな気がするというだけだが、、、。

K&F Conceptのわかりにくさがやばい

K&F Conceptからも反射率0.1%の製品がでている。
Nano-Xシリーズのプロテクター、商品説明ではMCUVとかかれた1種だけだが、ここからいくつか種類が分かれていて、さらに通常版と強化版に分かれている。

同社製品で反射率0.1%のものは、「Ultra-Low Reflection」と強化版「Ultra-Low Reflection Protector」の2種類。強化版は9Hの強度となるが透過率はやや下がる…というもののようで強化版のほうが優れているというわけではなさそう。

購入する際はご注意を。Amazon販売ページの見分けポイントは赤丸部分。


反射率0.1%フィルターの価格


0.1%を謳う製品のうち、Amazonでの販売価格をならべてみた。

※価格は2025/9/1時点のAmazon販売価格メモ(セール中の価格もあるので、ご参考まで)

価格の違い

値段はNikonのARCREST IIが最も高価。
ついでKenkoのZX II、marumi PRIMEがほぼ横並び。
H&YのUltimate HDはARCREST IIの半値前後。
K&F conceptはARCRESTの1/4程度。
Neewerにいたっては1/5程度となりかなり安くなる。

個人的にはNeewerさんは模●品をくっそやすく販売してくれる中華製品の老舗てきなイメージ。安かろう悪かろうの代表みないな感じが否めないが、、、本当に反射率0.1%の製品なのか、使い勝手はどうなんだろうか、、、などなど気になるが、ちょっと怖くて買っていない。人柱erの方はぜひためしてみてほしい。

試しに買ってみたK&FのUltra-Low Reflection

Neewerはちょっと…という感じがるので、時点候補でお安いK&F conceptのUltra-Low Reflectionという製品を買ってみた。

まだ軽く使ってみた程度なので、細かい比較はしていないがななかな良さそうな感じだった。海辺で砂が舞うような環境(風で砂がたたきつけてくるような環境)で撮影するときには、こっちに付け替えて撮影してもいいかもしれない。

ちゃんとした比較はそのうちやるつもりだ。


まとめ(+商品リンク)


私自身、今現在はメインで使用するレンズ全てにARCRESTもしくはARCRESTIIを装着している。

ちなみにARCRESTを使う前はEXUS(0.3%以下)、Zeta(0.3%以下)、PRO1D(0.5%以下)を使ってきた。
当時は反射率なんて気にしたことは無かったが、0.3%以下の製品では盛大にフレアが出ていた。
0.1%も0.3%も数値的にはそんな変わらいように見えてしまうかもしれないが、月とスッポンくらい差があるといっても過言ではないと思う。

せっかくいいレンズを使っているのに「安いから!」と、AmazonBasicや、Kenko PRO1Dの古いものを買うと、後々確実に後悔することになる。
そして、後悔してからでは遅く、同じ瞬間は撮れない…

ニコンユーザーはもちろん、そうでない方も、おサイフが許せばARCREST IIを。

とにかく、レンズフィルターの購入時は「反射率0.1%」を目印に選んでおくのがおすすめ。
サイズ別でAmazonリンクを貼っておくので、気になる方はチェックを!

Nikon58626772778295
Kenko58626772778295
marumi58626772778295
H&Y6772778295
K&F58626772778295
Neewer6267727782

※NikonはARCREST II、KenkoはZX II、marumiはPRIME、H&YはUltimate HD、Neewerは超低反射UVの製品にリンクさせています。
※K&F conceptは透過率の下がった後発の9H強化版ではなく「Ultra-Low Reflection 硬度6H/透過率99.8%」の商品にリンクさせています。
※その他のサイズ径を利用されている場合は、飛んだ先で他のサイズを選んでください。