最終更新日:2025/3/12

2019年にNissinから発売されたカーボンライトスタンドのLS-65C。約815gで270cmまで伸び、耐荷重も3kg。2万円弱と気持ち割高なところがあるが、安定度も高く持ち運ぶには私が知りうる限り最高のライトスタンドだ。

2024年12月、このライトスタンドが第2世代モデルとしてリニューアル!
通常版のほかに『脚の幅を狭くできる』という特殊モデル(G2b)が登場した。

狭い通路などでスタンドを立てる時、もう少し脚が縮められればな…と思うシーンがこれまで何度もあったので、これは買い!!!と、さっそく購入してみた。


良かった点


◎狭いスペースでも脚を縮めらえる特殊仕様モデルの登場 ※(G2b)省スペース版

旧型とG2bを並べて置いてみた。
どちらも脚を一番狭く自立できる限界状態で立てている。

この状態だけでわかるように、この長さの分だけ高さに差が出る。

※ちなみにここまで狭くすると、当然ながらかなり不安定になる。

◎重りをひっかけられるアルミフックがついた

ちょっと不安定だなという時や、ベタ置きできない時に活躍してくれそうなフックだ。

◎3段目が回転できるようになった

3段目のグレーの部分が回転できるところだ。

従来は上に取り付けた側のネジを緩めて回転させるか、スタンドごと回転させるしかなかったが、これに選択肢が増えた形だ。

重いものを取り付けているときはガタンと下がってきそうで怖いが、シーンによってはありがたく感じることがあるかもしれない?

◎先端ネジが3/8インチネジから1/4インチネジになった

左が新型、右が旧型だ。
取り付け部のアイテムを忘れてしまった時にも、これに無理やり取り付けることができる。良くはないが、いざという時には…

正直、脚を狭くできる!という点以外は、特にうん、まぁ、そうですね、、、というくらいの感じだ。


比較して気になる点


LS-65Cを3本並べてみたものがこちら。

A:旧型LS-65C(初期型?)
B:旧型LS-65C(改良版?)
C:新型LS-65C(G2b)

旧型は、脚の付け根が補強される前後で2種類存在している。

旧型(A)はカーボンの脚に直接ネジが取り付けられているのに対し、その後のモデルはパーツを介してカーボン脚が取り付けられている。

旧型(A)の脚
旧型(B)の脚

旧型は補強前後で脚の長さに多少差があり、Bのほうが補強パーツ分で少し長くなっている。

せっかくなら(B)の長さを維持してくれれば良かったのだが、新型(C)は補強したうえで、元の長さに戻した状態になっていた。

旧型は全てのネジが交換できるものだったが、新型(C)は片方はこんな感じで取り外しできない形式になっていた。

錆びさせてしまわないよう、気をつけたほうが良いかもしれない…

× スペック上、全伸高が1cm短くなった…

先ほどのゴム1つ分の差の影響?という気もしなくもないが、公式スペック上、1cm短くなってしまっていた。。。

2世代目なのになぜマイナス?と…。

× スペック上重量が増えた…

旧型:約815g
新型G2a:約895g
新型G2b:約882g

せっかく軽くて良かったアイテムを重くしないでくれ…と。。。。

短くなったり、重くなったりと、2世代目としては残念に感じられる点もある。ただそんな残念な点を補って余りあるのが脚の幅を狭められるという点。これはもう感謝しかない。

購入時の注意事項にもある通り、新型G2bは、それなりのリスクを受け入れて使う必要がある。


ライトスタンド購入時の決め手
(持ち歩く前提)


持ち歩かないなら、重くガッチリしてて3mくらい伸ばせるアイテムを買うのがベスト。砂袋を乗せやすいC型のスタンドでもいいかもしれない。ただ、持ち歩き(持ち運び)前提となると話はだいぶ変わってくる。

個人的に重視しているポイントがこれだ。

①重量

多い時は5~6本持ち歩くので、1本あたりの重量はできるだけ軽いほうがいい。少なくとも1本あたり1kgは切ってほしい。

②耐荷重

よく使うAD300Proが1本1.25Kg、ディフューザーもつけたとして2Kg。AD300Proを2つくっつけることもあるので、少なくとも3Kgはあってほしい。

③長さ

バックライトとして被写体ななめ後方上部から照らすこともあるので、3m近くいけるのがが理想。

④脚がベタ置きできる

持ち歩き前提のライトスタンドに大事な点は転倒防止。地面にベタ置きし、上にカメラバッグなどに置けるものがベスト。ベタ置きできないものは除外している。

⑤お値段

基本的に消耗品。あまり高すぎるものはあれだが、1本あたり2万未満であってほしい。

⑥メンテナンス性

保守部品が購入できるのか、修理できるのか?という点も大事。安ければ買いなおせばいいが、保守部品が買えて自分で修理できるとなおさらベスト。


まとめ


これらの点の多くをクリアできるのがNissinのスーパーライトスタンドLS-65Cだった。

現在は正当進化モデルのG2a、特殊仕様モデルのG2bにわかれた2世代目となった。多少残念な点もあるものの、脚の幅を縮められるLS-65C(G2b)は非常にありがたい存在だ。

ちなみにG2bのモデルはここまでイケる!

当然自立はしないが、壁や柱に括りつけたりと使い方の幅はかなり広がりそうだ。

★Nissin LS-65C(G2b)
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余談:ライトスタンドで発生したトラブル事例


Manfrotto 1051JBAC(Amazonで当時1万円前後)
折りたたんだ時のスリムさ、そして連結できるという点が気に入って3本つかっていた。今思うと、「軽量コンパクト」を売りにしている割には1.1Kgとやや重めだった。

コイツの難点は脚の開く幅が非常に狭く、60×60のソフトボックスでもちょっと触れただけで倒れてしまい、安定感に欠けた。砂袋で脚にしっかりとした重さを与える必要がある。

★ネジを緩めた時、エアークッション?でゆっくり下がっていくのはとても気に入っていた。(以降買ったものはこの機構がなく、何度か指を挟んで痛い目にあった…)

FOSOTOのカーボンライトスタンド(当時Amazonのセールで6,000円前後)
1本あたり550gという軽さ。これ2本で当時持ち歩いていた①Manfrotto1本分の重さ。
脚がすぐグネッと曲がってしまったり、脚の付け根のネジが外れるケースがあったりと、多少のトラブルはあるが、なんだかんだで7~8本は買ったのではないかと思う。
Manfrottoより転倒リスクは減ったが、それでもやはり軽量化ゆえの脚回りの不安定さで倒れることがあり、結局使うのを辞めてしまった。

ちなみに、Nissinも完ぺきではない。
脚のうち1本の角度が変えられる「LS-55C」(※現在は販売終了)という製品があり、3本ほど利用している。斜面や階段で使うとき確かに便利なのだが、可動部分がねじ込み式なのでしっかり絞めたつもりでも緩んでて、アーーーッというシーンが過去に何度も…。

中でも致命的だったのが海辺の砂浜で使ってた時。途中で緩んでしまったのか、AD300Proをつけたライトスタンドがそのままゆっくり横に倒れていき、そのままドボン…。1本お釈迦になったことがあった。その後、水で流して乾かせばワンチャン…と思ったが、電源は入らず、振ると砂と塩がパラパラと…。

愛用中の65Cも、照明の向きを変えようとディフューザーをつかんでグイっとやってしまった時、ミシッ…と嫌な音がした。結果としては1本目に縦方向にヒビが入ってしまい、上の金具が常にすっぽ抜ける状態となってしまった。クランプで固定して騙し騙し使っていたが、先日保守パーツを購入し、無事復活させることができた。

素晴らしいのはLS-65Cをつけた状態でライトスタンドが倒れたことがない、という点。(厳しい環境ではベタ置きで荷物をおいたりなどの工夫は当然している。)