このページは、これから「スタジオ撮影」や「カメラマン募集」を始めようとしている方向けに、なにかヒントになればと、ざっくばらんに作った「まとめ」シリーズです。

今回は前回に続き「撮影後のトラブルを回避しよう」という話です。


よもやま話「撮影後のトラブル回避」 Part2


失敗談『カメラマンと関係修復不能なトラブルに!せっかく撮影してもらった過去のデータもすべて掲載削除しないと訴えると一方的に言われてしまった…』を回避するにはどうするか?

撮影時点では友好関係にあっても、トラブルに発展し、けんか別れになってしまうこともあるかもしれません。今回は、仮にカメラマンともめてしまった際も、どうしたら「データだけは使えるようにすることができるのか」対策を考えてみました。

※まず先に言っておきますが、私もただのカメラマン。法律関係の専門家ではないので、あしからずです。。。


①利用規約


撮影を行うにあたり、規約や条件はカメラマンさんがツイフィールや固定・WEBページなどであらかじめ記載しているケースがあります。人によっては、かなり癖の強い内容が書かれていたり、トンデモな内容、よくよく読んでいないと後から写真が使えなくなってしまうようなことが書かれているかもしれません。

ちょっと待って!その規約、本当に最初から書いてあったの?という問題。

よくありがちなケースとして、トラブル発生後にしれっと規約や条件を書き換えて、「最初から書いてありました」と言い張る愚行。このパターンは過去にも何度か耳にしています。卑怯な手ですが、調べる術やキャプチャでも残していない限り、威圧的に「最初から書いてあった」と言われると反論が難しい状況になりがちです。

法の不遡及(過去に遡って適用しない)の原則のもとで考えるなら、あくまでも③で撮影したものは、②の時点で掲載されていた内容が有効であり、⑤で追加変更された条項は適用することが通常できないハズです。

またそもそも利用規約の作成には「ユーザーの権利を制限する」不利益条項は規約にいれること自体が禁止されているそうなので、一方的て理不尽な内容であれば、無効を主張することもできそうです。

利用規約って勝手に書き換えていいの?

書き換える内容に妥当性がある場合、書き換えについては通常問題はない認識です。
ただ、その際も通常は書き換え前の情報を残しておいたり、書き換え後の内容がいつから効力が発生するといった内容を書き記しておくことが一般的なのではと思っています。

ただ、こういうトラブルの際は、自分勝手な理由で書き換えて逃げ切ろうとする輩もいます。そんな輩にいいようにやられないようにしよう!というのが今回のコンセプトです。

かんたんに調べられる方法も知っておくと便利。

相手がWeb上に載せているのであれば、WebArchive(ウェブアーカイブ)というサービスで過去の情報を調べることもできます。ただ、そんな頻繁に更新されるものではないので、運が良ければわかる、程度です。

WebArchiveで調べる方法

①Web Archive(https://web.archive.org/)にアクセス。
②相手が規約を載せているWEB(ツイフィなど)URLを入力して、検索。
③下記のような画面が表示されたらスナップショットが記録されているので、過去にさかのぼってページ内に記載されていた内容を確認することができます。

WebArchiveに書いていない場合は、法的措置移行後、プロバイダへの開示請求などで調べてどうにかできるか…という次元になってしまうので、多少は面倒でも事前に打てる手は打っておくのが良策かとおもいます。


②訴えるぞ!は脅迫行為になる?


「データ削除しない場合は規約違反で訴えるぞ!」と言われてしまった場合。これはちょっと調べてみたのですが、正直曖昧すぎて、よくわかりません。

本当に訴える意志があり言った場合は脅迫にならず、相手を怖がらせることを目的とした場合は脅迫にあたるようです。

こんなの、あとから何とでも言えそうです。


③規約に同意した覚えがない!そもそも規約なんてあったの?


X/TwitterのDMやLINEのだけの文面で撮影の約束が行われることが多いと思います。
このやり取りだけで、そもそも規約・条件に同意したと言えるのか?

予定確定までの間でそのように捉えられるような会話が文面として残っていれば、同意したことになってしまう可能性がありそうです。

また、「撮影」が行われたのであれば何らかの規約・契約の上、実施されたとみなされそうなので、わかりやすいところに規約が書かれていた場合は、そもそも見ていなかった・知らなかったでは逃れきれない可能性もありそうです。

ただ、ものすごいわかりにくいところにひっそり存在している場合は、無効となる場合もあるようです。


④結局、どうするのが正解なのか?


もちろん、平和第一、トラブルを起こさないようにするのが一番ですが、人間ですのでどうしようもない時もあります。

カメラマンとの予定確定の前に、利用規約や条件などの有無を確認してみましょう。

<ある場合>
・撮影データの利用条件や権利関係についての記載をしっかり確認する。

・最悪の事態を想定し、今後何らかの事由により使えなくなる条件が記載されてないか、しっかり確認しましょう。不安な点や不明点があれば事前にしっかり確認し、納得したうえで確定するようにしましょう。

・確定した段階で利用規約や条件のスクリーンショットを撮ってしっかり保存しておきましょう。(←ツイフィとかにまとまってる場合は、超大事です!)パソコンの場合は、プリントするを選択後、PDFにして保存しておくとよいでしょう。

<見当たらない場合>
・データの利用権利についてあやふやな状態ですので、しっかりと相手に有無を確認しておきましょう。「ない」と文面でもらっていれば、仮にあとから何を言われても「その時は無かった」として無効にできるので特に問題になることはなさそうです。